2012年5月17日木曜日

また会おうねILさん!!

  5月15日、定例活動の時、帰国直前のILさんが、みんなに会いに来てくれました。涙、涙、涙、ハグ、ハグ、ハグ、そしてたくさん写真を撮りました。挨拶回りでいそがしかったのに、来てくれてありがとうね。出会いがあれば別れもある。誰もがその現実をかみしめた時間になりました。


 10年前、私()も帰国する側になったことがあります。仲良くなった子どもたちや仲間との別れはつらかったけど、その一方で、緊張する異国暮らしから解放される安堵感を感じていました。でもあの時、わが子たちはどんな気持ちだったんだろう。子どもにとっては今、その土地、その学校がすべてなのに、結局は親の都合(=帰国)でその世界を取り上げ振り回しています。安堵感だなんて、ホントに勝手、子どもの気持ちも知らないでと思っていたに違いない・・・ILさんを見ていて、あらためてそんな思いが頭の中をよぎりました。


 実は帰国の半年前、私はわが子からある決断を迫られました。
「幼稚園も小学校も中学校も入った学校と出(卒業し)た学校がちがう(これは完全に親のせいです)。高校くらい一つの学校で通したい」
 よほど強い気持ちがあったのでしょう。その子はビザ、滞在先(保護者)探しなど、いろいろな問題を自力で解決して、自ら残留(=留学)という道を切り開きました(もちろん残留可能な年齢だったからできたことですが)。親の甘さ、勝手さを自分で乗り越えて、親に『子離れ』を突きつけてきたわけです。子どもの方が一枚上手でしたね。


 ILさんの母国では、(外国から帰国して)該当学年に戻るには、テストにパスしなくてはならないそうです。母語で勉強してテストに備える。彼女が当初の予定を少しはやめて一人で飛行機に乗って帰国したのは、そんな気持ちがあったからでした。自分で考えて自分で決断する。人間にとって一番大切なことがきちんとできるILさん。きっと母国でも地に足をつけてやっていくことでしょう。


 今年の春、私は子どもと一緒にかつて暮らした国を訪れました*。友人たち、とりわけ子どもたちの大親友は、一家総出で歓待してくれました。そのお父さんは
「いつでも来ていいよ。ここは自分の家と同じだからね」
いつかILさんが日本を再訪することになったら、そう言って迎えてあげたいな(


U18いつもの一コマ
*そのときのことを個人ブログに連載しています。右側にリンクを張りました。のぞいてみてくださいね。