2012年10月23日火曜日

火の玉サッカー?!?

ぼくのまちはボゴルです。
ボゴルは大きいまちです。
ぼくの学校のなまえは〜〜です。
ともだちがたくさんいます。
1ばんたのしいあそびはボーラバガルです。
サッカーににています。ボールにひをつけてあそびます。
あぶないのでせんせいがおこります。でもとてもおもしろいです。

 ボゴル(ボゴール?)は、インドネシアのジャカルタ郊外にある町です。標高が高いので、暑いインドネシアでは避暑地なのだそうです。大きな植物園があるところですね。

 インドネシアから来て7ヶ月、6年生のG君が作文を書きました。もちろん、本人が自力で書いた物ではありません。U18のボランティアが質問して→G君が答えて→ボランティアが書いて→Gくんが写してというのを、根気よく繰り返して完成させました。

 きっと母国の学校では楽しかったんでしょうね。「ともだちがたくさんいます」というのが、ちょっと切なく感じます。まあG君はとても明るい性格で、日本に来てからも、家の近所で友達と一緒に走り回っています。でもさびしいんでしょうねえ。
 
 小学生がボールに火をつけて遊ぶというのは想像できませんが、子どもたちはエキサイトするのかな?「危ないので先生が怒ります」というのは、そりゃそうでしょうという感じです。ちょっと調べてみたら、動画サイトがありました。Flaming Football Indonesiaとでもいれて検索してみてください。ボールというのは椰子の実の皮をむいて、ガソリンにひたし火をつけたものだそうです。しかも裸足でプレーすることもあり、やけど予防にはハーブと塩をまぜたものを体にすり込むのだとか。聞いただけで恐ろしくなりますが、動画を見る限り、みんな楽しそうです。「でもとてもおもしろいです」ですね!!(

中国山地は秋の気配です(太田川源流の森にて2012/10/20)




2012年10月11日木曜日

現地校 vs 母国の勉強

 9月は1回書いただけで、なかなか更新できないまま早くも10月半ば、東広島は朝晩冷え込み、すっかり秋の気配です。このところ『現地校 vs 母国の勉強』で考え込んでいました。
 
 アメリカはあの広い国土に、全日制日本人学校は公立3校と私立が数校だけである。多くの日本人の子が必然的に現地校へ通っている。英語で学べてラッキー(と思うのは、英語コンプレックスの塊の親だけかもしれない)である反面、日本語や日本の学校の勉強が心配になる。だから、日本からの通信教育(SじろうやDゼミ)は、日本人の間でかなり人気があった。ただ、日本の義務教育に落第の心配はないから、通信教育やオンライン学習はあくまで自主学習であり、やってもやらなくても、そしていつやめてもいい・・・
 
 つくば市(茨城県)の小学校で日本語ボランティアをしていたことがある。ロシアの男の子(小学校高学年)は週に一度東京に出て、自国の教育を受けていた。毎週同じ曜日が欠席になるので、その曜日しかやらない科目(例えば図工、書道はやったことがなく、担任教師は当惑気味だった。その点、海外にある日本語補習校は、開講日が週末だから、現地校とバッティングはしない。またミャンマーの女の子(小3)は
「今日からミャンマーの試験準備して、来月進級試験を受けるために一時帰国する。帰ったらまた日本語するね」
小学校でも落第制度があるから、自国の勉強をおろそかにはできないという。
 
 子どもにとって母語は何より大切である。数年で帰国する留学生(親)の関心が、母国に向くのは当然だ。落第制度のある国ならなおさらだ。だからボランティア一同、親の方針を尊重し、余計な口出しはしなかった。それでも皆、内心は結構複雑で、決していい気はしないというのは一致していた。中にはハッキリ口に出す人もいた。
「それならなんで日本の学校に通わせるの?外国人に就学義務はないよ。通信教育していればいいじゃない。そもそもなんで日本に連れてきたの?」

 「なんで連れてきたの?」と言われても、家族が一緒に暮らしたい、母国に子どもを預けられる人がいない、以外に理由は見あたらない。家族が一緒に暮らすことに、だれも文句はつけられない。さらに、学校は勉強だけをするところではないとも言える。友達や社会経験も、子どもにとっては大切である。これらは現地校へ行かなくては得られない。
 幸か不幸か、ミャンマーからその学校に来たのは、彼女だけだった。友達と遊びたかったら、どうしても日本語が必要である。本人もそのことをよくわかっていたのだろう。加えて勝ち気でリーダー指向の性格である。日本語教室の野外実習(郵便局へ行って、日本語で用事をした)に積極的に参加し、グループリーダーを務め、率先して郵便局員に質問した。そんなこんなで、日本語のおしゃべりは結構上達したし、クラスに溶け込もうとしていたから、結果的に先生もボランティアも、温かい目で彼女を見守ることができた。

 最近、U18に来る子の親の中にも、
「母国からのオンライン学習ができるから、日本の学校はそこそこで良い。二つの言語で学習するのは子どもにとって負担だからね。それに母国の学校には落第があるし」
という雰囲気を漂わせる人たちがいる。つくばの時のことを考えても、これに正解はない。何が子どもにとって一番いいのか、それぞれの家庭にそれぞれの都合と方針がある。
 ただ、今度の場合、ミャンマーの子のように学校に1人ではなく、同国人がたくさんいる環境である。学校でも家に帰ってからも、日本人と遊ばなくても友達は足りている。そうなると来日して半年以上経っても、日本語がほとんど理解できない子が多い。いったい、クラスでどうやって過ごしているのだろう。学校でも、同国人同士で固まっていたら、日本人の子だって近づきがたい。アメリカでも日本人が多い地域では、よくこのことが問題になる。特に日本の中学、高校受験を意識している層は、時として日本向きの姿勢が露骨になってしまう。そういう人たちに対する「私たちの税金で教育してあげているのに!!」というアメリカ人の声には、素直に耳を傾ける必要があるだろう。
 ただ、同じ国から来た子でも、学年に1人だったり、仲間とつるまない子は、半年でそれなりに日本語を聞き取れるようになっている。友達と話せたよ!と喜びの報告もある。中学生の女の子は、数学、国語だけでなく、技術、美術、家庭科の宿題まで一生懸命取り組むので、ヤッチャル一同目を白黒させながら、大汗かいて一緒に調べている。

 その子たちの通う学校の先生は、一生懸命やってくれている。相手の言葉を学ぼうとしたり、お手紙に英語の注釈をつけたり、ただでさえいそがしいのに、本当に頭が下がる。そんな先生たちが「日本の学校はそこそこでいい」と言われたら、どんな気持ちがするだ
ろうか・・・(


新装なった東京駅(ライトアップ)
昼間の東京駅