2014年6月18日水曜日

やったね!!!

 祝全国大会出場!!
やったね!!
本ブログ登場回数No1の VT君が念願の全国大会(定時制通信制大会)出場を決めた.
中学3年で日本へ来て4年目の快挙である.種目はバドミントン.
来日当初から,ずっとつきあってきたヤッチャル一同,本当にうれしいです.

彼はわざわざスコアシートをもって結果報告に来ました.全国大会出場を決めた準決勝(出場枠は2人),第1ゲーム先取のあとの第2ゲーム.17-20の劣勢から20-21に持ち込みました.それでも相手はゲームポイントです.VT君はそこから3ポイント連取.結局23-21でストレート勝ちしました.この粘りはお見事!!彼の高校のホームページによれば「神がかりショット連発で逆転勝ち」だそうです.

彼の出身地域である東南アジアは,バドミントンが盛んで世界的な名選手を輩出しています.彼も母国にいたときは,毎日,地域にある施設で練習していたそうです.だから,来日当初(中3),彼は中学にバドミントン部がないことを嘆いていました.それでも,得意の数学を心の支えに,日本語と格闘しながら,学校に通い続け(1年間で欠席はたった1日),晴れて定時制高校に合格することができました.そして,そこにはバドミントン部がありました.あのときのうれしそうな顔を,は今でもよく覚えています.

彼は毎年,広島県定時制通信制高校の体育大会に出場しています.高1,高2の時は,地区大会は突破するのですが,県大会では3位どまり.あと一歩の壁が破れませんでした.

定時制高校の部活だけでは物足りない彼は,大学の留学生サークルなどに混ぜてもらって練習に励んでいます.練習場が遠くても,バドミントンだけはいやな顔をせず,せっせと通います.知り合った人が少しでもバドミントンにかかわりがあるとわかれば,進んで連絡先を交換します.この積極性,本当はもう少し勉強にも発揮して欲しいんだけど・・・

2012年12月東広島市教育文化事業団主催のスポーツイベントで
(黄色のウェアの後ろ姿がVT君)



2014年6月11日水曜日

正負の計算は手を動かせ!!

 時々,思い出したようにU18に現れるのがKC2君だ.現在中2,中国から日本に来て4年目である.彼自身詳しくは語らないが,来日事情は結構大変なものがあるようだ.それでも(表面上は)穏やかで浮き沈みの少ないタイプなので,いつも『飄々と』行動している.そんなだからこそ,心の中は?と,気に掛かる子でもある.
 U18では,常連というかコアな熱く濃いメンバーだけでなく,彼のようなひょっこり型のバイプレーヤーも結構いる.そんな子が久しぶりに来ると,私たちはほっとする.あの子の心の中にU18は確実にあるんだな!!
 昨日のKC2君の来訪は,安堵だけでなく驚きと喜びを私たちにもたらしてくれた.ほんとうに元気をもらったよ!!
 

 彼はいつものように飄々と現れた.いきなり紙束を取り出してニコニコしている.それは前期(東広島市立中学は2学期制)の中間試験の問題用紙と解答用紙だった.80点台,70点台,60点台,国語だけはそこまで行かないが,5教科総計は余裕の300点超えである.おお〜〜!!日本人でも,こんなにとれない生徒は多いぞよ〜〜!!
 
  実は昨年,彼はちょっと腐り気味だった.テストのたびに20〜30点台が続いたからだ.2年くらいこのレベルの点をとり続けると,多くの子は感覚が麻痺してしまう.悔しさを感じなくなる.「まだ日本語ができないから仕方ないでしょ」サポートする方も「日本語は難しいからね!」となりがちだ.でも,本当にそれでいいのだろうか?じゃあ,いつまで待ってたらいいの?それより,学年相当の実力のある子に,日本語力を言い訳にしちゃうのは,逃げじゃないの?!?

 低空飛行の時代,口では「仕方が無い」と言っていたが,彼は心は相当悔しかったようだ.悔しいどころか危機感もあったのだろう.その証拠に,バイプレーヤーの彼が,この冬から春にかけては,U18や大人の日本語教室に頻繁に現れ集中的に勉強していた.「珍しくよく来るね」と声をかけると,いつものようにニコニコしていた.

 彼の苦手の一つが数学の正負の計算だった.+,−,を組み合わせた計算がこんがらかってしまう.実は彼は,(−5)+(+2)+(−9)−(+7)−(−5)では,うまく()を外す事ができる.しかし()を外して,−5+2−9−7+5の形になると,とたんに手が止まる.計算記号と符号の区別がうまくいってない.
 私は秘策(?)を授けた.とにかく手を動かせ!ゼロからスタートしてマイナスは左へ進め!プラスは右へ進め!つまりこの計算ならゼロから左へ5(−5),そこから右へ2(−3),左へ9(−12),左へ7(−19),右へ5,よって答えは−14.これを何回かやって体で覚えてから,プラス,マイナスの符号をまとめて−5−9−7+2+5として一気に計算した.はじめからこうすれば,手を動かす計算は必要ないだろう.でも,かずの感覚を体で覚えるのも必要ではなかろうか?何より迷ったらここに戻ればいいという単純な方法を知った事で,彼は安心した様子だった.今回のテストでは,計算問題はケアレスミス以外,ほぼできていた.できなかったのは日本語が複雑でわかりにくい文章題だけだ.やったね!苦労した甲斐があった.
 
 なんだかKC2君は一皮むけた感じがする.ブレイクスルーとでも言おうか.まだまだ浮き沈みはあるだろうが,このままいけば地域の県立中堅(〜上位)校を目指せるという目処がたった.やはり今の彼にとって,大きな目標はここになるだろう.ヤッチャルのメンバーは,本当に元気をもらった.こんな瞬間を見届ける事ができるなんて,サポーター冥利に尽きるというもんだ.

 それでも気に掛かる事はある.
「日本人の友達はいる?」
「教室で話す人はいるけど,学校の外で会ったり,遊ぶ人は誰もいないよ」
同年代の中国人の友達もいないらしい.だから,淋しくなるとU18に来るのかな・・・

 バイプレーヤーおおいに歓迎だ(


どこでしょう?

2014年6月5日木曜日

音楽は共通語!!!

 このところ,まったく!!更新していませんでした(すみません).新高1たちが,それぞれ学校に通い,U18は若干静かになっていました.
 それにしても,最近の事件(ここで言うのだから,どの事件か皆さんは想像がつくと思います)には考えさせられます.学齢期半ばで日本に来て,日本語がおぼつかない,友達作りが難しい,母語も(本人が思う以上に)落ちているから自己表現もままならない,家庭環境も疑問だらけ・・・とにかくコミュニケーション(→人間関係)の問題が,子どもの育ちに大きな陰を落としているような気がします.
 
 昨日,ヤッチャル仲間がこう言ってました.
「(外国につながる子どもたちへの)日本語教育は日本を救うよ!!!」
ほんとにそうだと思います.逆に言うと,それをしなかったら日本は危うい!!ということですねえ・・・
 政府の方針は建設業従事の実習生(5年)や移民受け入れになってきています.少子高齢化が現実に問題になっている中,そうなるだろうなと思いますが,そこに『子どもの教育」という視点は,本当に存在するのだろうか?『労働力』ではなく,トータルな『一人の人間』として,その人たちを見ていく覚悟があるのだろうか?

 ところでU18では,ささやかながら新しい試みをしています.数人が「ギターをやってみたい」と言い出したので,名付けて楽器体験教室.写真は5月31日(土)第1回の様子です(子どもたちに掲載許可もらいました).第2回からはボランティア仲間のベテランギタリスト(?)が,指導してくださる予定です.
 さてKC君は,ようやくドレミファソラシドが弾けるレベルです.中国出身なので『ちょうちょ』『かえるのうた』など,日本の子ならだれでも知っているやさしい曲(1オクターブで弾ける曲)を知らないといいます.それでも『きらきら星』なら知っているというので,それを練習してみました.そこへKFさんが,英語で「Twinkle Twinkle Little Star〜〜」と合わせてきます.まさに「音楽は世界の共通語」いいですねえ〜〜おばさん()は思わず「ビルマの竪琴」のいちシーンを思い出しました(古っ!!)イギリスと日本をつないだものは『ほたるのひかり』『夕空晴れて』『埴生の宿』・・・

 それから森山直太朗『さくら』をの超ヘタクソなコード伴奏で歌いました.ベタですが,ほんとこれって子どもたちの心の叫びのような歌詞ですねえ.次回は6/14です!


音楽は世界の共通語!!
これは宣伝です!!
5月25日(日)から毎週日曜日の午前中,東広島市福富の地域センターで日本語教室が始まりました.センターの方がこんなすてきな看板(?)を作ってくださいました.感謝!!