2015年4月28日火曜日

U18ならではの光景

 今日は定例活動でした.ゴールデンウイーク前,明日は休日です.子どもたちは心なしかリラックスした感じで,勉強におしゃべりに,とても賑やかで充実した(?)活動となりました.今回は,ブログ書き込み初登場のがお届けします.宜しくお願いします. 

 最近,中国の子どもたちがたくさん来ます.今日は,中卒(高校進学希望):1名,中3:2名,中1:1名,小2:1名と,合計5人が中国人.あとはインドネシア1名,アフガニスタン2名でした.インド(高校生),ベトナム(大学生)のお兄さんコンビは教室には来ず,コミュニケーションコーナーでパソコン三昧.それでも放課後,ちょっと顔を見せるというのは,やはりここ(U18)は居場所なのかな・・・ 

 アフガニスタンの姉弟(たてよこくるりんコンビ)は,好奇心がすごく旺盛です.今は多数派の中国に興味があるようで,中国語で「名前は?」ときいたり、「こんにちは」や「さようなら」と言ったりしています。もちろん,2人の“中国語”はタモリの中国語の雰囲気ではありますが.

 一方中国の子どもたちは,スマホでアフガニスタンはどこにあるのか調べたり,国旗を見たりしていました.アフガニスタン弟君の「中国語でアフガニスタンはなんていうの?」という質問には,改めて調べて「アフハン」とこたえてくれました.アフガニスタン弟君は「どうして「ガ」がないの?アフ“ガ”ニスタンだよ」とちょっと不満そうでした.かなり気になったらしく,教室が終わるまで「中国語は『が』がないの?」とずっと言っていました。 

 出会うことがなければ、興味も関心も持たなかったであろう子どもたちが,それぞれの国のことを聞きあい、教えあう.なんだか不思議な光景ですよね.でもこれはまさに『ヤッチャルならではの光景』だなとも感じました。子どもたちがそれぞれ置かれている状況は厳しいですが、こういった経験が役に立つ日が来ればいいなと思います。

ではまた(



2015年4月15日水曜日

新年度がスタートしました

 4月14日(火),新年度第1回の活動がありました。バスツアーから3週間ぶりでしたが,新しいメンバーも含めて子どもたちは元気な顔を見せてくれました。からの活動報告をお届けします。

皆様、今日は春休み明けで、久しぶりの活動となりました。
3月26日のバス旅行以来なので、かれこれ3週間ぶりということです。
今日もまた一人15歳男子LC君(中国)がやってきました。
お父さんの仕事の都合で一家で日本にやってきたとのこと。すでに半年在日しているのですが、日本語はあまり聞き取れません。通信制(?)の高校に行ってみたが、日本語ができないから、できるようになったらおいでといわれたとのこと。それでU18にやってきました。中学は日本語ができなくても、学力が低くても卒業しなければなりません。でも、高校に入ることができない子がいます・・彼は大学にもできれば行きたいといっていましたが・・・

 昨年度,3学期も余すところひと月ぐらいになってから、14歳の女子二人SCさん(中国)とZCさん(中国)がきました。二人とも毎週火曜日は中学校を早退してU18に参加します。
彼女たちが2時ごろ学校を早退していることは聞いていました。ただ以前にも自主早退して、コミュニケーションコーナーにやってくる子がいたので,実は早退についてあまり気に留めていませんでした。2人が通う中学の校長先生が心配してU18に電話をくれました。そこで改めて彼女たちにいろいろ聞いてみると、どちらも、
・学校にいても何を言っているのかさっぱりわからない。
・新学年が始まったのに日本語教室は開かれていない。
・教室は寒くてスカートじゃ耐えられない(母国の学校ではズボンを着用)
なので1人は「4時間目が終わったら、すぐ帰る」,もう一人は「給食を食べて、掃除をしてから帰る」とのことでした。
 早く帰ってしまう方に「
給食を食べて掃除をしてからおいで」と言ったら「給食はまったく口に合わない」との返事・・・やれやれです。
 とにかく「早く学校から帰るなら、コミュニケーションコーナーで宿題をするなり、こちらが出すプリントをするなりしなさい」ということになり、来週の火曜から二人は2時半ごろやってくることになりました・・・

 3月末からきているこれまた新人は小5女子AIさん(インドネシア)。“たてよこくるりん”FAさん(アフガニスタン)も小5ですが、体格が全然違います。でも持ってきた勉強が終わったら、絵本を読み、その後仲よく遊んでました。
 FAさんはとっても元気で行動的です。はじめはぐずぐず言っててもおだてると,嫌いな算数にも取り組みます.分数の概念がすぐわかり、問題をすっかり解いて帰っていきました。弟HA君も茶目っ気があるので二人がいるとにぎわいます・・・

 ボランティアの方にもいろいろ変化がありました。頼れるさんが、最もU18メンバーの多い小学校の日本語教室を担当することになりました。これで、いろいろ情報交換ができます。連携を密にしてきめ細かく子どもたちをサポートできるようになると,ヤッチャル一同,士気が上がりました.さらに広島市の小学校の日本語担当教師になった方もいます。夏休みなど,子ども対象の活動のない広島市からはるばるU18にやってくる子もいます。これで広島市とのつながりもできました・・・さらにさんも近くの中学で中2の男子(中国)を担当します。転校早々問題発生と頭を抱えていたので,その学校にいるU18メンバーに連絡を取りサポートを要請しました。心ある人が先生になると子どもたちは変わります。本当に良かったです。お仕事は大変でしょうけど・・・今年度は学校との連携を深める年になるかな。

 4月から大学生になったTV君も来ました。いろいろなことが不安・・と心配そうです。日本語での会話はあまり問題なく、友達もできたとのことですが、授業は時々わからない、板書の意味が分からない・・・(ということで
『工業力学』なんぞという教科書を広げて,一緒にベクトル問題に取り組みました)。でもこういう不安はTV君だけのことではないはず。「ほかの日本人も多分おんなじ気もちだと思うけど・・・TV君は大丈夫!太鼓判を押してあげる!」といったら「はあ???」と言いながら続けて
「卒業できるかな,いい仕事あるかな,就職できるかな・・・」とにかく将来が心配らしい。でも将来が心配じゃない人っているのかなあ・・・TV君がんばれ!

と、今日はこんな感じでした。」

 大きくなってから(中学生くらい)で来日した外国につながる子どもたちにとって,進学,進路,就職は本当に大変な問題です。通信制高校で受け入れてくれないというのは・・・う〜〜ん厳しいですねえ。ヤッチャル&U18 は,今年度も子どもたちに寄り添って行きます。加えて今年は学校との連携を深めるチャンス!!!がんばります。